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神学生交流プログラムに参加して [神学校]

今週の3/27(火)~29(木)にかけて、第3回目となる神学生交流プログラムに参加してきました。

この企画は日本クリスチャン・アカデミー 関東活動センターの主催で行われ、会場はイエズス会日本殉教者修道院 鎌倉黙想の家です。

クリスチャン・アカデミーの理念の中には、話し合いによる相互理解と協力というものがあります。各教派に分かれているキリスト教会においても、互いの特色を知り合うことで、同じ主に仕える者としてのよりよき働きが出来るのではないか。そのために、これから牧会の現場に出て行こうとしている神学生達が全国から一同に会する貴重なプログラムであります。

私は昨年も参加申し込みをしていたのですが、昨年は、311に発生した東日本大震災の直後であったため、急遽取りやめとなった経緯がありました。ということで、一年越しのプログラム参加ということで、期待に胸を膨らませての参加でした。

今回の参加校は9校、日本カトリック神学院、聖公会神学院、日本ルーテル神学校、農村伝道神学校、日本キリスト教会神学校、日本聖書神学校、同志社、関西学院、西南学院といった顔ぶれでした。お互いの学校紹介を含んだ自己紹介をしたりして、三日間のプログラムを通して、教派は違えど、志を同じくする者達の熱い思いを共有することが出来ました(^_^)。


今回の学びのテーマは『説教』ということで、当初、説教塾を主催されている加藤常昭先生が講師となって下さるはずでしたが、前日になって急遽ご夫人の様態が悪化し、先生ご自身の体調も優れないことから、チャプレンとして参加予定だった関田寛雄先生が代わりに講師をして下さいました。

今回は、加藤先生から説教演習の指導を頂けるということで期待していただけに残念でした。加藤先生の説教には先生の説教集が刊行された当初から養われてきましたし、信徒だった頃から説教学に関する著作を通して、もう二十数年私淑してきました。先生ご夫妻のご健康が早く回復されるようにお祈りしたいと思います。


関田寛雄先生は長年、青山学院で教鞭をとられながら川崎で開拓伝道をしてこられた方で、関田先生の書物にも養われてきました。特に『「断片」の神学』には、私自身感動を覚えて読ませて頂きましたので、今回お会い出来るのを心待ちにしておりました。また本に署名も頂くことが出来ました!



一日目のメインは、関田先生から「説教とわたし -個人史的回顧-」と題した基調講演を頂きました。司会進行は、私が買って出てさせて頂きましたが、先生の歩みとそこから生まれた神学的確信というものを熱く語って下さりました。

二日目のメインは三人の説教者の説教を聞いての説教演習。私もトップバッターとして、皆さんから厳しくも暖かいコメントを頂き、大変勉強になりました。
そして夕方はフィールドトリップということで、黙想の家を出て、日本キリスト教団鎌倉雪ノ下教会カトリック鎌倉雪ノ下教会の見学に出かけました。教団雪の下は長年、加藤先生が牧会された教会で、是非一度機会があったら訪れたいと思っていた教会でしたのでラッキーでした。両教会は歩いて数分の距離にあり、加藤先生が牧会されていた時代に改築工事がなされた時、カトリックの聖堂をお借りして礼拝を守られたということを説教集で読んでいたので、感慨深いものがありました。

   

上の写真は教団雪の下教会の礼拝堂の様子です。左の写真は二階席から写したもので聖卓、洗礼盤、説教壇です。右の写真は聖卓側から写したもので、会衆席の一部と、二階にあるパイプオルガンです。会衆席は聖壇を囲むように三方に椅子が置かれています。礼拝出席者は300~350名とのことで、週報BOXは450名分くらいあるとのことでした。

この会堂を設計された稲富昭さんは、私が宣教研修でお世話になった別府平和園やルーテル大分教会の設計者でもあります。ですから和風の障子や椅子等、共通したコンセプトが用いられており、懐かしい思いで拝見しました。

加藤先生のご指導を頂けなかったのは本当に残念でしたが、三日間、関田先生を中心に寝食を共にして色々とご指導を頂くことが出来たのは望外の幸いでした(^O^)v。

クリスチャン・アカデミーの働きに感謝すると共に、関田先生をはじめとする諸先生方、準備から当日のお世話までお一人でご奉仕下さったスタッフの真下さんに感謝!

既に密かに、カトリック、聖公会、ルーテルでオフ会をしようとの動きもあり、今回出会ったお一人お一人とも今後機会を作って連絡をとりあっていければと思っています。


2011年度の「神学校の夕べ」 [神学校]

昨日は2011年度の「神学校の夕べ」が東京教会を会場に行われました。

今年の卒業生は2名。乾和雄さんと竹田大地さんです。
このお二人がそれぞれ説教をし、私が司式をさせて頂きました。
下の写真は礼拝直前に写したものです(^^)




次の写真は、お二人が説教をしている様子です。

  

次のは会堂の様子と、右側の写真には真ん中で司式をしている私が写っています。

  

礼拝に続いては、第二部で卒業生の紹介が江藤校長からなされ、後援会や信徒代表の方からの祝辞がありました。その後、場所を一階に移し、茶話会が行われ、和やかな雰囲気の中でお集まりの皆さんからのお祝いの言葉や、卒業生からの感謝の言葉などが語られ、盛況の中に幕を閉じることが出来ました。

一人の牧師が生み出されるために、どれだけ多くの方の祈りと支えが献げられているかを感じることが出来た感謝の一日でした。来週3/4は按手式が東京教会を会場に行われます。

ルーテル教会の礼拝におけるルターの遺産 [神学校]

G.レイスロップ先生が先週から今週にかけて来日されています。

先生はルーテル・フィラデルフィア神学校の名誉教授で、アメリカ福音ルーテル教会(ELCA)の礼拝学の権威です。
私もとても興味があったので直接お話しをお聞きしたかったのですが、何せ宣教研修の身。半ば諦めていたのですが、神学校の石居基夫先生が講演のサマリーをブログに掲載してくださり読むことが出来ました。

http://mishii-luther-ac.blogspot.com/2011/10/blog-post_24.html

石居先生のブログによれば、礼拝におけるルター派的アプローチは、二つの原則「保持」と「批判」で表されるとのこと。確かにその辺のバランスが、良かれ悪しかれルター派の特徴であると私も思います。

また4つのポイントを示して下さいました。
① 福音の言葉の明瞭性、礼拝の中心、み言葉の説教と聖礼典の執行がはっきりとその福音を示すものとなっているか。
② 全会衆の参与
③ 強制のないこと
④ 困窮の中にある隣人へと向かうこと

今回は特に、③と④について新たに視座を与えられたような気がします。
③については、カールシュタットやツヴィングリ等が行った急進改革の後に、ルターが混乱を収拾するために行った1522年の『四旬節説教』が思い起こされます。その説教のポイントは一言で言えば「力をもってではなく、みことばをもって」(non vi, sed verbo)ということでしょう。ここであの有名な「私が眠っていても、ビールを飲んでいても、みことばがことを行った」という名言も出てきたのです。

今時、強制することなどないだろうと思いがちですが、例えば、新しい牧師が赴任して来て、自分の礼拝に対する神学と、赴任先の教会が行ってきた従来のものが合わないからと言って、急に変更したら会衆はどうなるでしょうか? (実際にある話です)
そこは時間と思いやりをもって、説明し相互に納得した上で変えて行く必要があることでしょう。そうでなければ、会衆が礼拝式の持つ豊かな意味を味わうことなく、混乱の中で毎週の礼拝に参加することになってしまいます。
その変化の速度は、もしかしたらかなりゆっくりかもしれません。従来の方式を10年続けていたら、同じ時間をかけながら変えていくことになるかもしれません。その辺のまどろっこしさが、いつの時代にもいる急進派には我慢が出来ないのではないでしょうか。しかし、礼拝式の持つ、一つ一つの恵みを深め味わうためには、教会員が血肉にしていくプロセスがとても大切だと思います。②の全会衆の参与が深い意味で実現出来るためには、そのような共同体の形成が必要だと思うのです。また急進的よりは漸進的な変化こそ、堅い意志と多大なエネルギーが要求されます。それだけ真価が問われるともいえましょう。

いやいや、レイスロップ先生の講演からは多くの示唆を頂いた気がします。これからも折に触れ思い起こし、ルーテル教会の礼拝の持つ豊かな可能性について、自分なりに考え続けていきたいと思います。

サマリーを掲載して下さった石居先生に感謝!


宣教研修派遣礼拝 [神学校]

昨日は、宣教研修前の最後の授業がありました。また毎月一度行われている神学校聖餐礼拝が17時から行われ、その中で宣教研修生への派遣式も行われました。

今年は総勢7名が研修を行うことになり、神学生全体の半数以上が今週から7ヶ月間の研修に赴きます。説教は斉藤衛先生から頂き、積極的にぶつかっていくことで「打ち砕かれ、壊され」、そこから多くの気づきと成長が与えられるようにと励ましを受けました。

派遣式では神学校長の江藤先生と河田チャプレンによって、一人一人の名前が呼び上げられ、派遣の祝福を受けました。





7名のうち2名は今日派遣先に向かいました。私もようやく荷物を今夕発送し、金曜日の朝に大分に向けて出発する予定です。


タグ:宣教研修

聖公会神学院との交流会 [神学校]

先週の週末から色々立て込んでいて、更新出来ませんでした。

土曜日は石居正巳先生の召天1周年の記念会が武蔵野教会で行われ、司式の補佐をさせて頂きました。日曜日は武蔵野での最後の主日礼拝を守り、礼拝の中でフルート三重奏による讃美歌伴奏をさせて頂き、良い思い出となりました。午後は島田療育園での礼拝があり、トッチンやヒロノブさんに暫しのお別れを告げてきました。島田の兄弟達には本当にディアコニアの意味を考えさせて頂く機会となり感謝です。

月曜日は午後3時から、世田谷区用賀にあります聖公会神学院 http://www.ctc.ac.jp/ にお邪魔してきました。

聖公会神学院と日本ルーテル神学校は年に一度七夕の季節に交流会を開催していて、昨年はルーテル側にお迎えをしたので、今年は聖公会にお邪魔することとなりました。

ご存じの方もおられると思いますが、アメリカにおいてはルーテル教会(ELCA)と聖公会がフル・コミュニオンを実現させました。言い換えれば「職制の交換」が実現したということで、講壇(説教)と聖礼典(洗礼・聖餐)を相互に行うことが可能となったのです。

そのことが正式合意文書として、1992年に「ポルヴォー宣言」、そして1999~2000年にかけて「共に宣教の使命に召されて」 (Called to Common Mission、略称CCM)が発行されたのです。 これらの文書は日本語でも訳書が出ていますので、是非ご覧下さい。(『共同の宣教に召されて -聖公会・ルーテル教会の対話とヴィジョン-』教文館)

日本ではアメリカでなされたような正式な合意文書はありませんが、草の根的な交流を進めるためにもお互いの神学校の交流が生まれてきたのです。

プログラムは、先ず自己紹介から始まり、3.11の震災に対する各教派の援助活動の報告と質疑応答が行われました。そして神学院のチャペルで共に聖餐礼拝に与りました。司式はルーテルの河田チャプレン、説教は聖公会の広谷司教(校長)によって行われ、下の写真は説教をされている広谷先生と、礼拝堂前にあるマリア観音です。



礼拝の後は、お楽しみの懇親会があり、両校の教職・学生共に交流を深めることが出来ました。

神学生のうちにこのような交流を行うことで、地方の現場に赴いた時にも、自然にエキュメニカルな交流を図ることが出来るようになると感じています。

聖公会神学院の皆様、ありがとうございました。

2011前期神学生揃い踏み [神学校]

毎週火曜の5限目は、「神学校の時間」と言われる、神学生企画による自主プログラムを行う時間です。学年の異なる神学生や、寮生と通学生、日本福音ルーテル教会(JELC)神学生と日本ルーテル教団(NRK)の神学生が一緒に集まる貴重な時間でもあります。

昨日は、この6月に神戸ルーテル神学校を卒業し、来春JELC牧師となるためにこの7月から三鷹の日本ルーテル神学校で共に学ぶことになったIN神学生も交えての時となりました。INさんは神戸で教員として59歳まで勤められた方です。いつも穏やかな物腰笑みを絶やさない魅力的な方です。

INさんは4年に編入ということになりますので、来春は二人のJELC牧師の誕生が期待されます。



昨日の神学校の時間のテーマは、来週から宣教研修に出かける6名の神学生それぞれからの宣教研修計画案とその意気込みを発表する場となりました。それぞれが課題を抱えつつも、希望と不安の中に多くの学びを得ることが出来、成長することが出来るように祈ります。



神学生は現在、写真の11名と私、それから現在休学中で後期から復学予定のS神学生の13名が在籍中です。どうぞこの13名をお覚え頂ければ幸いです。

ルターの木製レリーフ [神学校]

毎日、暑い日が続いていますね。

東京では連日30度を超し、雨の降り方なども、まるで熱帯気候のような感じです。

ルーテル学院大学のチャペルは、コンクリートの打ちっ放しで空間的にも高さがあるのでゆったりとしています。学内でも夏は比較的涼しい空間なのですが、連日の暑さでさすがにモア-っとした空気になっています(笑)。

チャペルへのアプローチの右側に何気なく飾ってあるルターの顔のレリーフがあります。
       
 素材の木を活かして、隙間と厚み、アンジュレ-ションを工夫することによって見事にルターの顔が表現されています。作品に対する情報が全くないので、こっそりと裏を覗いて見ましたら、この作品の由来が書いてありました。

ラウス・アンジェリカというルーテル学院大学のハンドベルクラブが2006年の9月にスウェーデン・ツアーを行った時に買ってきた物のようです。メーカーはスウェーデンのKANEVADという会社です。

URLはhttp://www.kanevad.seですがスウェーデン語だけの表示で英語がないので詳細不明です。それでもHPを通してこの会社の作品のいくつかを見ると、シンプルですが美しい様々な木工品を見ることが出来ます。北欧は森林の国だけあって、日本人の木に対する愛着に近いものを持っているのではないでしょうか。優れた技術と木を愛する気持ちのシナジー効果によって、木の持つ良さが引き出されていて、アートの領域と言って差し支えない気が致します。

ルーテル学院大学には、キリスト教とルターに関する様々な美術工芸品がありますので、これからも折に触れてご紹介出来ればと思います。
   

石川千鶴記念会の皆様と [神学校]

今日は、いつもお支え頂いている石川千鶴記念会の皆様と幡ヶ谷でランチをしてきました。

記念会メンバのリーダーをされているI姉を通して、これまで折に触れて励ましを頂いてきました。
一度是非お会いして、皆様に日頃の御礼をしたいと思っておりましたが、今回、宣教研修に行く前に皆さんが集まって下さり、壮行会を開いて下さったのです。

石川姉を通して、主との結びつきを頂いた記念会の皆さんは、それぞれに長く困難な歩みを続けてこられたようです。
一般的にカリスマ的な指導者で育ったグループの皆さんは、独善的・排他的になる傾向がありますが、そのような雰囲気は全くなく、本当にみなさん信仰によって支えられ生かされている感謝に溢れていらっしゃいました。

石川姉が晩年に若い伝道者を育てたいという思いが与えられ、その思いを記念会の皆さんが引き継いで、神学生である私を応援して下さっているとのことでした。本当に感謝です。


先週の読書リスト&説教黙想 [神学校]

こんばんは。

ようやく、明日発表の説教黙想と新約神学特講の準備が終わりました。
説教は5/8に続き、5/22の箇所です。奇しくもどちらもトマスに関係する箇所です。

私の信仰の友であり、1989年のクリスマスに一緒に洗礼を受けたN兄は、洗礼名を
トマスとしました。ちなみに私はパウロです。双子のトマスと呼ばれるように、私とN兄も
かなり似たタイプと思います。

今回、説教黙想で感じたのは、この双子は、自分の中にある信仰と不信仰の二面性を
表しているものではないかということでした。誰の心にもトマスの懐疑が巣くっている、
そのような闇を抱えているのではないかと思うのです。

ということで、明日明後日は旧約原典講読の準備と、説教原稿作成が待っています。
説教原稿は5/8の説教が終わりましたら、HPの方にアップしたいと思います。
やはり授業が始まると、予習復習に追われて、集中して本を読む時間がとれませんね。
先週読んだのは、下記の二冊ですが、この他には、色々と拾い読みや斜め読みを
している状況です。

2011年4月18日 - 2011年4月24日の読書メーター
読んだ本の数:2冊
読んだページ数:389ページ

■イエスの示す道―受難節の黙想
読了日:04月23日 著者:ヘンリ・J.M.ナウエン,友川 栄
http://book.akahoshitakuya.com/b/4882741261

■星野富弘全詩集〈1〉花と
読了日:04月18日 著者:星野 富弘
http://book.akahoshitakuya.com/b/4054027342


▼読書メーター
http://book.akahoshitakuya.com/


イースターヴィジル(復活徹夜際)に参加して [神学校]

今日は一日、雨と風がやまない日でした。

今年の四旬節は、3月9日の灰の水曜日に始まりましたが、その日が私の誕生日でもあり、とても感慨深いものがありました。そして直ぐに3.11の大震災が起きました。また受難週の今週は葬儀も経験することとなり、連日の諸行事、そして今晩はイースターヴィジル(復活徹夜祭)を迎えました。

ヴィジルは、その名の通り土曜日の夜から復活日の朝にかけての徹夜祭ですが、ルーテルでは夕方6時半から約2時間半をかけて行いました。大まかな内容は、「光の祝祭」に始まり、救いの出来事が読まれる「御言葉の部」、「洗礼式と洗礼の記念の部」そして説教と聖餐式と続きます。

カトリックでは「御言葉の部」を12時間くらいかけて行うと本で見ましたが、ルーテルではその1/10の1時間程度で旧約聖書から7箇所朗読が行われます。

私は今年で三回目の経験となりましたが、先の二回は聖書朗読をさせて頂き、今回は復活の光である大きなキャンドルを持つ役目をさせて頂きました。ヴィジルはルーテル教会の中でも、神学校でのみ行っている礼拝ですが、典礼的にはとても重要なものであることが再認識されてきています。ですから、今回の礼拝は一部始終をビデオ撮影し、今後の参考に供せるようにしていく試みもなされました。

このような四旬節と受難週を過ごした後のイースターは、本当に心に迫るものがあると思います。

明日も天気が心配ですが、主のご復活を心からお祝い致したいと思います。




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