SSブログ

カラバッジオの『聖マタイの召命』 [趣味]

聖霊降臨節に入った最初の聖霊降臨後第2主日の福音書はマタイの召命がペリコーペとして取り上げられています。

マタイの召命というと、直ぐに思い起こすのがカラバッジオの『聖マタイの召命』という下の絵です。



最初に見た時、光と闇の劇的な使い方からレンブラントが描いたのかと思いました。

レンブラント(1606-1669)とカラバッジョ(1571-1610)は実際に会ったことも接点もなかったと思われますので、ほぼ同時代に前後するような形で、この二人が現れたのは不思議な感じがいたします。時代が求めていたのかもしれませんね。

この絵では主イエスが右側に描かれ右手でマタイを指しています。一方のマタイですが、この絵からは一体誰がマタイなのか判然としません。それらしい人は、指を指す髭を生やした初老の男、うなだれて金貨を見つめる男など複数人存在していますが、現在では画面左端のうなだれる男が聖マタイであると考えられています。

これは私の推測なのですが、カラバッジョはわざと誰がマタイかがハッキリと分からないように描いたのではないかと思うのです。そうすることによって、登場人物の一人一人が、自分かも知れないという不安と期待の緊張感を覚えるからです。そしてそれは、この絵を見る者にも同様な思いを与えていると思うのです。

弟子としての召命、それは特別なことではなく、キリストを信じる一人一人が体験するドラマです。マタイが自分の職場である収税所で召しを受けたように、ペトロもヤコブもその生活の場の真ん中で召しを受けたのです。

この光に生かされてまいりましょう。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。