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『力ある説教とは何か』を読んで [読書]

今週読んだ本に、H.J.クラウスの『力ある説教とは何か』があります。 

東北学院大学の佐々木勝彦先生が訳されて、1982年に出版された、「現代世界説教選」の一冊です。佐々木先生は、ルーテル仙台教会出身で、現在も東北学院大学の教授として教鞭をとっていらっしゃいます。著書も旧約に関するものが多く、近著『愛は死のように強く―雅歌の宇宙』では雅歌を取り上げていらっしゃいます。 この本の中から、幾つか心に響いた箇所をご紹介します。

 ・ルターはイザヤ書2819節を、「ただ試練だけが、御言を心にとめることを教えるのである」と訳した。(p.68)  

・教会の奉仕はすべて、「われわれが自分の時間を自分だけのために使うのではなく、それを神によって満たしていただく」(ボンヘッファー)かどうかによって、立ちもし倒れもするのである。(p.72) 

・聖書を読んでも、もはや何の発見も何の驚きも経験しない人間は、もはや生きる全権の言葉を語ることができない。発見と驚きが起こるのは、究極的孤独が経験されるときだけである。つまり、試練を受けて貧しさを覚えている者は、その究極的な孤独の中で、「わたしに教えて下さい、わたしに教えて下さい、わたしに教えて下さい」と心の奥底から懇願するのである。 (p.82) 

・あなたが説教壇に上がることができるのは、次のような時だけである。つまり、あなた自身が御言の下にある人間となるとき、あなたが共に生きている人々の不安に出会いながら、幾分でも神のあわれみを知るできだけである。 (p.93) 

本書は小著ながら、加藤常昭先生もよく紹介されるように名著だと思います。現在手に入らないのが残念です。


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