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ローマ法王の最近の発言から [読書]

 現ローマ法王、ベネディクト16世が彼の近著で、これまでユダヤ人迫害の理由にも用いられてきたキリスト殺害の責任について、ユダヤ人に責任はないことを改めて述べているそうです。この件については、第二バチカン公会議でも「キリスト教以外の諸宗教に対する教会の態度についての宣言」において、ユダヤ人に責任がないことを明言したわけですが、50年経った今改めて法王がアナウンスしなければならない状況があったと言うことでしょうか。

 10年に一度、南ドイツのオーバーアマガウ村で行われる「キリスト受難劇」をご存じでしょうか? 私も1990年に観劇してきました。この受難劇の台本も、昨年行われた2010年版では反ユダヤ的な内容を大きく変更したそうです。

 いずれにせよ、キリストを死に追いやった責任を、単純にユダヤ人及び民族に責任転嫁することは、創世記3章の堕罪の出来事を思い起こさせます。責任転嫁が「第二の原罪 Second Sin」といわれる所以です。

  今読んでいるペールマンの「イエスとは誰か?」の中に次のような一節がありました。「中世の時代には多くの都市で復活節の日曜日に一人のユダヤ人が人々の面前で平手打ちを食らわせるのが習慣になっていた。このとき、キリストの意志を行っているのは誰か? キリストの名においてユダヤ人の頬を殴打するキリスト者か、キリストを信じることなく頬を差し出しているユダヤ人か? (p57)」

 四旬節を過ごしている私たちは、これらのことにも思いを巡らしながら、今なお信仰の名の下に行われている差別や圧迫に対して目を開いていく必要があると思います。

P.S
宮城県多賀城市にある私のもとの職場が、津波の影響で孤立し、現在も1200名の従業員が建物の中に取り残されているそうです。一刻も早い救援を祈ります。 


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